はじめてのFUJI ROCK'17 3

最終日。
今日は心機一転、ドライバーと私の大好きなYUKIちゃんの10周年のベスト盤。
前半は大人しめの楽曲が続きますが、盛り上がりを見せる後半に入る前に苗場に到着。

この日も予報は一応雨だったと思うけど、雲間から青空が見えていました。
このままいけば、ドラゴンドラ!だったんだけども、願いはかなわず到着に合わせて小雨が降り始めてきました。

本日のお品書き
予定:
Ron Sexsmith → Real Estate → トクマルシューゴLOVE PSYCHEDELICOSLOWDIVEYUKI → BONOBO → LORDE → ASGEIR → THUNDERCAT

結果:
Ron Sexsmith → Real Estate → トクマルシューゴSLOWDIVEYUKI → BONOBO → ASGEIR → THUNDERCAT → MAJOR LAZER

幸いにして天候には恵まれ、小雨はぱらついても不快感を伴わない過ごしやすい1日だった。
とはいえ、さすがに3日目に突入するともう疲労困憊。
あまり移動の伴わないか、ステージでの休憩もかなり増えてきた。

Ron Sexsmith
3人での乾杯のあと、後方で腰かけてのんびりと観戦。
古き良き日の70s後半くらいまでのロックンロールを感じた。
もう少しゆっくり観ていたかったけど、この日前半の本命とトイレに備えてホワイトステージにそそくさと移動。

Real Estate
3人で最初に会ったイベントに登場したのもこのバンドだったなあとしみじみと感じながら、前の方で鑑賞。
本当は最前列の中央まで到達していたけれど、身長が足りないために目の前の黒い筐体に阻まれてステージが見られないので少し下がって全体を俯瞰するスタイルに変更。
アレックスがただの印度の方にしか見えなかったり、マーティンのインテリ白人感が半端なかったりどうでもいいことを考えながら、白昼夢を見ているようなまどろんだ音楽に合わせて気持ちよく揺れていた。

トクマルシューゴ
ご本人のMCによると前日に8時間以上かけて苗場山の山頂まで登ってこられたという。
山頂の小屋のオーナーさんだったかの「なんで新潟なのにフジなんだ」って感じの言葉(1週間経って既に忘れ気味)をおっしゃっていたけど、下山して職場の方にも同じことを問われた。
一昨年のボロフェスタ以来のトクマルさんだったけど、相変わらずの自由で多幸感あふれる演奏だった。

ちなみにsuedeのライブで知り合った大阪の先輩とはここでようやくご挨拶できて、5年越しくらいの「いつか苗場で会おう」との約束を果たすことができた。
残念ながらお互いに水分補給したてでお腹がぽちゃぽちゃだったために乾杯まではできなかったけど、それはそれで来年行くための口実ができたと思えば、結果オーライということで。。。

SLOWDIVE
この日の大本命というかこれを観にフジに来た。
シューゲイザーというジャンルの音楽でMy Bloody Valentine派という方とRide派という方は多くいらっしゃると思うけど、私はいやいやSlowdive派。
なのにライブを見たことあるのは前者2つ(しかも単独)で、前回の再結成直後の来日は入社したてで交代勤務をしていたために見損ねてしまい、今回は何としても観たかった。
聴き始めたのは大学の学部四年の卒論真っ只中の時期。珍しく雪が積もり始めて夜遅く一人実験室に残ってた日のAlisonが忘れられず、本当にこの旅はAlisonのアウトロの残響に切り裂かれて死ぬために来たようなもんだ。
新譜のオープニングトラックSlomoから始まり、早々にcatch the bleezeやavalynといった初期曲も交えて。
幽玄さと耽美さを兼ね備えた圧倒的な浮遊感に、時折周りの人が立ったまま意識を瞬間的に失ってよろけ倒れかかってきたりするも(自分もそんな状態なので不快感はなく)、そんな時間にあの場にいた誰しもが陶酔しながら満を持してのSouvlaki Space StationとそれからのWhen The Sun Hits。
この10分間のために私は生きてきたんだと、自然と涙があふれてきた。
そこからのいよいよ、いよいよあの曲ですかと期待に胸を膨らませて流れてきたのはミニマルなPygmalionからのCrazy for You。
そっちかって、ちょっと面食らってよろけながら、アルバムとはまた違うサイケさににんやり。
結局、お目当てのあの曲は演奏されないまま、定番のシドバレットのカバーでライブは締めくくり。

あとで出回ってきたセットリストにはAlisonに取消線が引かれて、右側にCRAZYと書かれていた。
でもだからといって、なんで!なんでAlisonやってくれなかったのさ!!!って怒りも悲しみも不思議と一切なく、あの瞬間に立ち会えたこと、Slowdiveをようやく観られたことにただただ感謝して、レッドマーキーでの最後のひと時を迎えました。

YUKI
7月土曜の大阪城ホールのチケットに当選していながら入金し忘れていたために観られなかったYUKIちゃん。
Slowdiveを見終えたころには始まっていたので途中からの観戦。
セトリも確認してないけど多分フェス仕様のグレイテスト・ヒッツな選曲。
一番観たかったワンダーラインだけフルでちゃんと観て、「生きてる意味なんて考えてる暇ないのさ、take me to the holiday。あそぶtoday today today!!」と、着々と向かいつつあるこの3日間の終わりを噛み締めながらホワイトステージに向かった。

Bonobo
実はこれまで一度もちゃんと聴いてなかった。
ただ、twitterのフォロワーさんたちの間では異常に前評判が良くて、何だかよくわからないけど観ておかないといけないアーティストだと思ってた。
中々の混雑具合で、なんとか前日の晩に音声だけで楽しむ羽目になった白いテントの横まで辿り着き、ことの顛末を眺めていた。

この素晴らしさを表現できるだけの語彙を持ち合わせていないのが残念だけど、ただただ観て良かったし、できれば来年頭の単独公演も観たいと思う。

Asgeir
入社前のHOSTESS CLUB WEEKENDERで観たのが最初だったか。
単独も申し込んでたけど体調不良で見逃してしまい、なんだかんだで3年半ぶりのAsgeir。
bonoboとは一転して、2ndは何回かリピートしたのに一切頭に入ってこなくて全然心に残ってなかったので、実は当初はほとんど期待してなかった。
ただ、bonobo後でほとんど体力も残されていなかったので食事休憩に移動することもできず、留まった先で1年近くぶりに再会できた業を背負ったようなアカウント名のフォロワーさんのAsgeirへの熱い想いを聞いて、このときやっと観ようと思い立った。

まあ結果観て良かったし、この日はベース音が特に胸に突き刺さってくる力強い演奏で、やっぱり今度の単独観たいなって思った。この日の私はチョロ過ぎる。

THUNDER CAT
当初の予定では、彼こそがこの日の自分の中のエンディングアクト。
音源でも自由さが極まっていた彼だけど、ライブではさらに大暴走。
もはや踊る余力も残されていなくて、ただただ茫然と座って見てたけど、素晴らしい演奏だった。

MAJOR RAZER
いや、実は見るつもりは一切なかった。
EPは聴いてたけど、見たら絶対体力を失って息絶えそうな激しめの音楽(EDMというの?)だったし。
ただ、一緒にTHUNDER CATを観てた友人がこれは30分だけは観て踊って帰りたいと強く言ったので、ここまで来たら死なば諸共みたいな感じで渋々ながら観戦。

しかし始まると謎のムービーにメンバーの前で踊る4人のダンスキレキレ姉ちゃんズ。
「てをあげろ!」「とべ!」「めいじゃーって言ったらレイザーて言え!」
って簡単な煽りに原初的なビートにあわせてただただはしゃいだ。心行くままに残りの体力ではしゃいだ。

観るならこの曲は聴きたいと思ってた曲が終わったところで、「さすがにもう帰ろう」と申し訳なさとともに友人に打診し、パーリーピーポー溢れるホワイトステージを後にしました。
全ステージ一時入場を規制していますーとか訳の分からないアナウンスを聞きながら、とぼとぼと重たい足をひきずりながら苗場のスキー場に別れを告げた次第です。

あれやこれや散文を書き連ねて、これをどう総括すればいいのかわからないので、最後に少しだけ。

遠いし、山でしんどいし、高いしとあれこれ言い訳を並べて頑なに参加しようとしなかった去年までの自分へ。
「少しでも行きたい!やりたい!と思ったことはまずはやってみよう。あとはいくらでも面白おかしく楽しめる。」

あの場所でお会いできた皆様へ。
「新参者で何もわからなかった私に色々なご助言や音楽への愛の言葉をありがとうございました。また乾杯しましょう」

連れ出してくれた友人たちへ。
「ありがとう。本当にありがとう。来年も、また来年も絶対に行こう」

天国はどこにあるの?って問われたら、3・4日間限定だけど、文月の終わりに国境の長いトンネルを抜けた先にあるよって答えたい。

みなさん、また来年に苗場で。