2回目のフジロック-1(2019)

2年ぶりに苗場に帰ってきた。
今回の目当てはDeath Cab For CutieThe Cureの2組で、2日目と3日目に参戦。

荷物を持ち込みすぎて帰り道に後悔した前回からの反省でコンパクトにして臨んだけれども、足りなさすぎて一緒に参加した友人に多大な迷惑をかけてしまった。この辺のバランス感覚が圧倒的に欠如してると思う。

会場のあちこちが水没して、ボードウォークにも滝が発生するくらいの歴史的な水難に見舞われた今回のフジロック。2日しか参加していない分、(不完全燃焼感は否めないけど)体力は比較的ゆとりがある状態で帰って来られたので、勢いがあるうちに記録に残しておこうと思う。

文章を書く習慣が年々減り、トータルで全体をまとめられるほどの構成力がないので各項目別に。


○音楽

2日目 

キセル→Unknown Mortal Orchestra→Shohei Takagi Parallela Botanika→Courtney Barnett(→Asian Kung-Fu Generation)→Alvvays→American Football→Death Cab For Cutie

午前中はドラゴンドラに乗りこみ天上で過ごしていたので、ステージで聴き始めたのは午後から。邦楽勢で聴いたのは2日間を通じてカクバリズム勢のキセルとShohei Takagi Parallela Botanika(ceroの高城氏のソロプロジェクト)だけで洋楽ばかり聴いてた。この括りに意味がないことはわかっている。

キセルはさくらぐみのピザの列に並びながら聞き耳をたてる。カクバリのアーティストは夏が、特に夏休みが似合う音を奏でる方が多い。もう戻れない小学生ぐらいの夏の記憶が蘇ってきた。

Unknown Mortal Orchestraは会場で聴かなきゃいけないんだ!って気持ちにずっと苛まれていたのに、当日まで結局1曲も聴いたことがなかった。それで今Spotifyで聴くと「こんなにLo-Fiな音だったっけ?」って逆に面食らってる。Deerhunterをライブで観てから音源を初めて聴いたときも似たような印象を抱いていて、サイケバンドの1つの楽しみ方というか、フェスでの新しい音楽の出会いにはいつだって感謝しかない。

雨脚はさらに強まり、アヴァロンにて椅子にこしかけて休みがてらShohei Takagi Parallela Botanikaを鑑賞。フジロック直前にタイムテーブルを組んでるときにShohei Takagiってどっかで聞いたことある名前だなあ...あっ!で観るのを決定。毎年のようにceroのライブは観ているけど、去年のPOLY LIFE MULTI SOULツアー以来ご無沙汰。このソロプロは音源も見当たらなかったので怖いもの見たさで臨んだ。客席はほぼ埋まってたし、やっぱりみんなceroが、高城さんが好きなんだと思う。メンバーはDr.の光永さん以外知らない人ばかりだったけど、調べるとSOUL & PIMP SESSIONSやかたおもいに参加している只者じゃない方ばかりのよう。
音楽的にはceroからブラックミュージックを引き、アコーディオンジブリ感を演出した昭和の歌謡チックな感じだった(意味不明)。録音中の音源も楽しみ。ただ、読み方はその日の床に就くまで全然覚えられなかった。実際に文字で入力してみるまで字面が頭に入って来ず、「ショーへイタカギタナカラボタニカ」とかようわからんかった。

Courtney Barnettは音源の気怠さとは対照的にグランジでロケンローで格好良かったし、移動中に眺めたグリーンのアジカンではちょうど君の街までを聴けてそれだけで満足。以上。

Alvvaysの頃になると雨脚もすでに最高潮。一度体験した酷い雨の中にこの後戻っていくことを考えると、到底デスキャブまで生き抜ける気がしなくて何度も宿の布団の中でyoutubeの配信動画を眺めている世界線が頭によぎっていた。
話を戻す。Alvvaysの演奏は音源のドリームポップ、シューゲイザー成分にさらにパワフルさのエッセンスが加わってて最高にかっこよかった。気持ちよかった。大好きなIn Undertowのイントロが流れてくると感極まって涙がでてきた。「There's no turning back」と言われてしまうとね。もう後戻りはできない。デスキャブを見るそのときまでは。
ボーカルの子の誕生日だったみたいで、「52歳よ。ベンジャミン・バトンみたいなの」って言ってたのをうまく聞き取れず、謎に(デスキャブのベンジャミンって52歳なのか?)って脳内で誤変換してた。もっと英語の勉強した方が良い。(原因は昨年末の

www.vice.com

の記事でTFCのNorman BlakeとDCFCのBenjamin Gibbardが声を揃えて""最近はAlvvaysがイイ!!""ってべた褒めしてたせいもある。)

レッドマーキーでの平和な屋根の下の時間を終えて、ホワイトステージのAmerican Footballへ。曲と曲名を一致できるほど聴き込んでいるわけではないけど、仲の良かった服屋の店員さんが一番好きなアーティストにアメフトを挙げられえていてずっと気になってた。演奏が始まっても弱まらずに降りしきる雨と音と感情と、全部ごっちゃになってあの場にいた人はみんな溶けてたと思う。

2日目の最後はSIAは断念し、そのままホワイトステージに残ってDeath Cab For Cutie(つづりあってる?)。「ここまできたらデスキャブを見るまでは決して帰らぬ」と、共に臨んだ友人とビニールシートで雨をしのぎながら今までの人生で一番長い1時間弱を嵐の中でそのときを待った。本当に始まるまでが長かったし、今までの仕事で辛かったことってお可愛いことやなって思えてくるくらい酷い惨めな時間だった。あれを一人で耐えた方々は本当にすごい。友人がいなきゃ私はダメだった。
始まってからはもう嵐の中の祝祭。正直セトリは既に予習済みで何の曲を演るか把握してたけど、わかっていても素晴らしいものは素晴らしい。雨で濡れた寒さを吹き飛ばすのもあってこれでもかってくらい体を揺らして聴いた。最高に気持ちよかった。雨の待ち時間も含めて2日目のベストアクトはデスキャブだった。

 

疲れたのでまずはここまで。