We Are Scientists live @ O2 ABC Glasgow 12 th, March, 2014

イギリス2度目のライブはアメリカNY出身のポストパンクバンドWe Are Scientists

渡英前日の3/4に4枚目のアルバム"TV en Francais"がリリースされたものの、発送が遅れてしまって日本滞在中に手に入れることができず、後で弟に実家からクラウドにアップしてもらった音源を開演ギリギリまで予習してからの参戦でした。
今回のサポートアクトは、the Heartbreaksとsuperfoodという2組。
前回同様、開場直前になってから会場に到着しても(それでも会場入口に並ぶ列の前から5番目くらい)、余裕の最前列ポジション確保です。

20分ほどたち、観客が全然集まっていない中で、まずはHeartbreaksの演奏がスタートしました。
Remorseful〜Delay, Delayと前半から1stアルバムのアップテンポの曲で飛ばしまくり、これは本国だけに合唱が期待できるのかと思いきや、ほとんど盛り上がらないオーディエンス。
横で聴いていた地元の大学生に尋ねても「うーん、このバンドは聴いたことないね」の一言。
日本でも局地的にブームになったネオアコ直系の瑞々しいギターサウンドが特徴なだけに日本だけでの人気と知名度なのかなと少し落胆してしまいました…
しかも、またしても陣取った場所が悪かったのかギターの音が全然聞こえません(T_T)

曲目の半分は、4月に日本で先行発売する2ndの曲でしたが、Hey, hey, loverと知らないお客さんからも口ずさむ声が聞こえ、次第にそれが大きくなっていったのはやっぱり音楽の国英国のなせる技なのでしょうか。
あんまり好意的な感想が書けていない気がしますが、それでも2ndの楽曲もみんなで盛り上がれるようなアンセムが多目でフジでの来日も楽しみだな!と期待が膨らんでいってこれから!というところで幕引きです。

つづくSuperfoodはBlurSupergrassをローファイにさせたようなまさにBritpopサウンドが持ち味のバンドです。

人気も上昇している真っ只中のようでHeartbreaksとは対照的に(悲しいことに)お客さんもどんどん前に集まっていきます。
「音がヘロヘロな新人バンドの演奏はひどい 」っていう持論があるのですが、Superhoodはそんなバンドたちとは一線を画していて、(もちろん決して巧いとはいえないものの)バランスのとれた安定感のある演奏でフロアを和ませ、まるで陽光の差し込むほのぼのとした天候のなかでピクニックでも楽しんでいるかのようなアットホームな空間を満たしてくれました。
ぜひ日本でも演奏してほしいですね(フジは雨降るし、暑すぎる気がしますがサマソニにぜひ)。



さあお待ちかねのWe Are Scientistsです。
デビューアルバムの発表から8年が経過していることもあり、ファン層は8日に見たTemplesより高めで、ちょっと体型が崩れてきた20代後半の方が目立ちました(^^;
少し余裕のあったフロアも前の方はぎゅうぎゅうに満たされています。

新譜のReturn The Favorから幕を開けて徐々に熱を上げていき、畳み掛けるようにAfter Hours 〜 I Don't Bite そして代表曲Nobody Move, Nobody Get Hurt と日本では絶対にお目にかかれないような大合唱が続きます。
不思議なのは、これだけ大盛り上がりでみんな飛び跳ねてるのにモッシュダイブが起きないところ。年齢が上がるとやはりみんな落ち着いていくんでしょうか。

さて、とってもキャッチーでエッジのきいた楽曲というのが彼らの音楽的な特徴だとすると、ユーモアに溢れていてジョークの飛び交うところがキャラクター面での特徴でしょうか。
普段のコミカルなPVをはじめ、今回のツアーのサポートアクト紹介でもyoutubeで痛快な映像を披露してくれましたが、このライブでも随所(持ち時間の3分の1はそれだったといっても過言じゃないくらい)に2人のジョークが繰り広げられていました(笑)
印象的だったのは、twitterでも写真があげられていましたが、盛り上がっていたファンの一人をステージに上げてベースを担がせオーディエンスと合わせて行った記念撮影ですね(左端に横の人が写ってましたが僕は回避!)。
MC中は終始会場には笑いの渦が巻き起こっているのに、英語力が足りないばかりに何と言われているのか全然わからないのが少し残念でした...

演奏の話に戻ると、今回はギター、ベース、ドラムスだけという非常にコンパクトなバンド編成であり、「とにかく盛り上がる!」ことに重きが置かれていたように感じたので、シンセの映えるJack & Gingerや新譜からのメランコリーなOverreactingといった個人的には好きなナンバーは残念ながら披露されませんでした。
しかしながら、SprinklesやWhat You Do Bestといった新曲がライブの展開に緩急をつけるいいアクセントになってメリハリのきいた圧倒的なステージングでしたね!

それにしてもIt's A HitやThis Scene Is Dead, The Great Escapeの1stの楽曲群は本当に盛り上がる!!
Oasisの例が代表的なように英国でのライブではアンセムに大合唱がつきものですが、みんな聴くのをそっちのけで歌うし踊るしで、まるでパーティのようでした。
逆に新曲のMake It EasyとかSlow Downももう少し盛り上がっていいナンバーだと思うのですが、発売して間もないからか思ったほど会場が沸かず、彼らの定番のレパートリーに加わっていくにはもう少し時間がかかりそうな気がします。

いつか日本でも彼らの楽曲に合わせてみんなで大合唱して飛び跳ねられるような日が来ることを願うばかりで、本当にバンドとオーディエンスの一体感を体験できるパーティという言葉がぴったりな一夜でした。


Setlist
1. Returns The Favor
2. After Hours
3. I Don't Bite
4. Nobody Move, Nobody Get Hurt
5. Dumb Luck
6. Rules Don't Stop
7. Sprinkles
8. Textbook
9. Chick Lit
10. What You Do Best
11. Nice Guys
12. Make It Easy
13. Dinosaurs
14. It's A Hit
Encore
15. Can't Lose
16. Slow Down
17. The Great Escape