はじめてのFUJI ROCK'17 1

ノローグに思いのほか時間がかかりました。

結論からまとめると、FUJI ROCK '17 1日目の私のタイムテーブルは

予定:
DATS or yogee new waves → 昼御飯2 → ORGE YOU ASSHOLE → サニーデイ・サービス → RADWIMPS → FATHER JOHN MISTY → THE XX → SAMPHA → スカート

結果:
原始神母 → ORGE YOU ASSHOLE → THE BACK HORN → RADWIMPS → THE XX → GORILLLAZ

でした。
こんなはずじゃなかった。。。実は通しで観たのは最後の2組だけなんて口が裂けても言えない。
ステージ間の距離も、移動にかかる時間も、己の体力のなさも、完全に侮っていた。。。



以下、懺悔。

DATSもヨギーも観るには既に暑さで気力を失っていた私は、とにかくオーガだけは観ようと思い、ホワイトにとどまった2人に別れを告げ、まずは散歩がてら1人、FIELD OF HEAVENに向かいました。

辿り着いたGypsy AvalonこそHEAVENだとなぜか勘違いし、10分ほど経ってちゃうやんと気がつく。
そこからタイムテーブルを見直すと、「おお木道亭でHOMECOMINGSと平賀のさっちゃん演るやん」と2日目のタイムテーブルを間違えて開いてしまいました。
とりあえずホワイトに戻ろうと既に完全に迷子になっていた私は逆のHEAVENの方に向かい、結果オーライで結局当初の目的地に到着。

そこでやっていたのは、(何周しても申し訳ないことに良さのわからない)ピンクフロイドのカバーをしている原始神母。
もう暑さにやられて何も見てないのに疲労困憊の私は、椅子を広げて崩れ落ちました。
あれです。燃え尽きた明日のジョーの矢吹丈みたいな。

そんな絶望的な状況でも、やっぱりせっかく来たからには聴かなきゃと力を振り絞って耳をすませると、めちゃめちゃ恰好よかったんです。これが。
もう聴き始めて4秒でフジロッカーズハイ。ほんとに恰好よかった。

それからオーガ待ちの間に、秋からレコードの通信販売を始められる猫なのか虎なのかよくわからないフォロワーさんと、その方のお知り合いの皆様にご挨拶を済ませ、いざオーガ。

音源を予習のときに聴くまでは名前しか知らず、聴かず嫌いをしていたバンドなのだけど、一聴してドハマりしてすごく楽しみにしていました。初日前半の個人的にはメインバンドでした。
そして開演。不穏だけど心地よいサイケサウンドと出戸さんの声に合わせて強まっていく雨。

「おおー!!これぞ雨のフジロック!!伝説のライブにお決まりのあれや!あれ!」

と一人テンション高まっていたのも束の間。
早々にHP 0。ベテランの皆様にとってはめぐみのアーメンもヘタレな私にはただの滝行で、あたりはFIELD OF HEAVENのはずがFIELD OF HELL。

ステージを縦横無尽に横切る川と水溜まりと囲まれたことで、入口付近までの下山を決意しました。
道中、ホワイトでバクホンをチラ見し、心を無にしての下山。戦略性0の撤退。

その後は雨脚は落ち着いてきたところで、去年のwolf aliceでお会いして以来のフォロワーさんや、前週に東京で飲んだ友人と再会して元気を取り戻しながら迎えた満を持しての前々前座(正しくはGORILLAZの前前座)ことRADWIMPS
正直、君の名はで歌聴いたときはますますバンプの藤原さんとの声の違いがわからなくなってて、あまり興味はなかったのだけどやっぱり恰好良いよね。ボキャ貧なのでそれしか言ってませんね。

「じゃあ前半は大人しい曲が多かったけど、後半盛り上がっていきます!」
とぅるるるっとぅとぅとぅとぅとぅるる〜♪
的なMCとイントロをバックに今年もう何度目かのトイレに向かいます。

サマソニのような暑すぎるフェスのときはいくら飲んでも問題なかったビールですが、雨で体温を奪われているこのフジロックにおいてはただただ利尿作用が促進されてしまいます。
全滅するまでひたすら効かない相手にザキを唱えまくるファミコンドラクエ4のクリフトのように、ビール!ビール!と乾杯しまくった私の初日はトイレロスタイムが非常に多かった。。。

そんなことはさておき、THE XXの前に腹ごしらえと場所はホワイトとグリーンの間のところてんというフードスペース?。
煮干しラーメンを片手に一服していると、今まで聴いた中で一番綺麗な発音で後方から「By the way!」との声。
思わず、バイザウェイ?と独り言を漏らして振り向くと、山梨からお越しの野生のフジロッカーこと白鳥さん(仮)に「綺麗な発音だったよねえ」と声をかけられた。
こう書いている通り(?)、もちろん白鳥さん(仮)とは初対面。
ただ、懇切丁寧にフジロックの楽しみ方や思い出について語りかけてくださって、音楽を通じた人との出会いって素晴らしいなと感じたひと時でした。
また会えるかどうかはわかりませんが、白鳥さん。ありがとうございました。

白鳥さんとは別れを告げて、いざTHE XX。
このフジ最初のグリーンステージでちょっと前の方に勇気を出して進んでみる。
本当は裏のCatfishも観たかったけれど、もう新譜のI See Youが好きすぎて好きすぎて仕方なかったのでそっちは諦めて全部見ることにしました。

でTHE XX。
DangerousからI Dare Youが個人的なハイライト1つ目。
ライブのときのOn Holdのアレンジは既に他のフェス動画で観たから知っていたけれど、知っていても、いや知っているからこそ泣けた。
連日の移動と疲労でまだここが苗場だって実感はこのときまだ持ててなかったけれど、それでもこの場で音楽を愛する数多の知らない方々とこの場を共有できるのがただただ嬉しかった。
グリーンの音の良さも相まって、(こういう表現はTHE XXの音を表すのに相応しくないかもしれないけれど、)退廃的な泣きのメロディと煽情的なベースが自分にとっての滅びの美学みたいなものを体現していてすごく突き刺さって、久しぶりに「あっ、生きてて良かった」って心から思えた。
感極まると、けれどけれどを繰り返してしまうのは私の文体の特徴かもしれない。

もう今日はこれでいいや。。
と、裏でRhyeを観ているはずの一緒に来た友人達をGollirazを観ながら待とうとグリーンの道の脇でスマホをいじっていた。そんなときでした。

後ろから包み込まれる感触とすぐさま込み上げてくる恐怖を感じたのは。
振り向くと外人さん、の「ん?」っていうクエスチョンマークの浮かんだお顔。
いや、確かに私は小柄で日本人男性の身長偏差値38ですけどさ、絶対お前間違えたやろ、お前おいって見つめると、
「ハッ、ハグダケデース〜」
と言ってそそくさと去って行ってしまった。

「HAHA! Have a nice fuji rock!」って返したのは咄嗟の強がりだったけれど、ほんま怖かった。
あいつが無差別フリーハグ主義者なのか、フェス便乗痴漢魔なのかは最早知る術はないけれど、そこまでのLove & Peaceな世界にまだ浸れていなかった自分に少し嫌気がさしました。

あとは昼にお会いした方と再会し、グリーンの後ろの斜面で椅子を広げ、花火大会を見てる気分でGorillazのエンターテイメントを眺めていました。

ようやく1日目が終わりを告げる訳ですが、ここから2日目、3日目と指数関数的に時間の経過速度が増していくことになるとはこのときの私はまだ知りませんでした。